産地限定 深蒸し茶
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静岡県島田市の茶畑を訪ねたのは新茶の収穫もほぼ落ち着いた五月初旬。この時期お茶農家さんは、連休どころではありません。夜明けの茶畑に下りた露ばらいから始め、日中は収穫。お茶の葉は一日で五cmも伸びるため、毎日天候と茶葉の様子を見ながら過ごします。品質の良いお茶の収穫の基本は、先の部分を曲げ、柔らかく曲がる部分の一芯三葉。無駄なく、美味しい部分を収穫していきます。収穫から発酵がどんどん進んでしまうため、少しでも早く発酵を止める必要があります。
長期保存が可能で、豊かな香りのお茶にするため、新茶の時期は二四時間体制で稼働します。蒸し、揉み、乾燥することで、生茶から「荒茶」といわれる状態になります。この蒸しの加減によって、「味・香り・水色」が決まるといわれます。そして更に「荒茶」を火入れし、ブレンドすることで、私たちが普段飲む「煎茶」ができあがります。
屋久島のすっきりした風味、知床の爽やかな香り、静岡のまろやかな味わい。それぞれの特徴を生かした、煎茶をお楽しみください。
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先端の柔らかく曲がる部分だけを収穫