蜜自慢かりんとう
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「蜜自慢かりんとう」工場を訪ねて
カリッ!ザクッ!と軽快な食感の後にジュワッと広がるジューシーでコクのある黒糖蜜の甘味と香り。さらに最後にふわっと残る香ばしい黒ごまの存在がなんとも愛らしい。一口で多彩な「おいしさ」を楽しめる久世福商店の「蜜自慢かりんとう」は、普段かりんとうをあまり口にしない方でもそのおいしさのとりこになってしまうでしょう。それにしても「蜜自慢」ってずいぶんと思い切った名前を付けてしまいましたが、一体どういうことなのでしょうか。「蜜自慢」の秘密を取材しました。
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「かりんとうは生き物」そうおっしゃるのは、かりんとうメーカーの3代目社長。かりんとうは、粉を練って発酵させた生地を油で揚げて蜜をからめて作ります。気温や湿度によって発酵の進み方が違うため、それはつまり毎日発酵の仕方が違うために、粉を練る時の水温、加水量から、発酵にかける時間、発酵時の温度、揚げ時間、全てが毎日職人の経験によって調整されています。さらには、「かりんとうのおいしさの決め手は発酵が6割、揚げが2割」。発酵がうまくいった生地は、油で揚げた時にきれいに生地の内部に気泡が入るため、蜜掛けをした時に中までしっかりと均等に蜜が入り、おいしく仕上がるのだそうです。
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「蜜自慢かりんとう」ができるまで
1.練り
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小麦粉や黒ごまなどの材料を混ぜ合わせて丁寧に練ります。
2.発酵
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心地よい温度で静かに発酵させるとふかふかの生地に。
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良い条件で良い発酵をした生地はクモの巣のような細かくてきれいな網目状になる。
3.切断
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発酵した生地を薄くのばして切断します。温もりのある耳たぶのような柔らかな生地に触れると、自然と優しい笑顔が。
4.揚げ
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一度沈んで一斉にふわっと浮き上がってくる瞬間は、まさに命が吹き込まれたよう。
揚げ油は100%こめ油。こめ油はくせがないため、生地の旨味、蜜の旨味を活かすのに適しているのだそうです。さらに、温度を変えて3度揚げという手間をかけています。「揚げは命を吹き込む瞬間」、いかに一気に花を開かせるか、生地の薄さや大きさ、形状、そして揚げ油の温度管理にいたるまで考えられているのです。
5.蜜掛け
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「黒糖は産地で味が全然違う」いろいろな土壌のミネラルを含んだ黒糖を組み合わせて、納得のいくバランスにブレンド。中には稀少な黒糖もあり、コストはかかりますが、納得いくおいしさのために妥協しないそうです。蜜のこだわりは黒糖の産地だけでなく炊き方、掛け方などにも。ですが、ここには口外無用の秘伝の技術があり、蜜自慢かりんとうの真髄とも言えるため、お伝えすることができずに残念ですが、「蜜自慢」は黒糖自慢とも言えそうです。
できたてよりも、1日寝かせた方がおいしい
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できたてのかりんとうを一口いただきました。ほんのり温かく優しい食感、蜜の甘さが一気に押し寄せてきて、その優しさに思わず「おいしい」と発すると、社長が少し苦笑いしながら一言。「できたてよりも、1日寝かせた方がおいしい」と。
それは、生地に残っている水分と表面にからめた糖の浸透圧という物理的な仕掛けにより、「蜜自慢かりんとう」のような太めのかりんとうは1晩置いた方がなじんでおいしいのだそうです。おいしさの化学!大変勉強になります。
「蜜自慢かりんとう」は234gとずっしり大容量。自慢のおいしさに加えて1本1本が大きく、食べ始めると止まらなくて。ふと気が付くとかなり減ってしまい、我に返って後悔することも。
「封を開けたら早く食べ切らなきゃいけないと思って。」なんて言い訳したことはありませんか? そのような言い訳をしなくても済むようにチャック付きの包装になりました。これまで以上に気軽に手に取っていただき、このおいしさを体験してください。
(広報:高岡)